Amazonプライムで絶賛放映中のゲームオブスローンズを見終わったよ。怒涛の60時間を消化して、放心状態になってしまった。ここ数年、感受性が失われたみたいで、映画や小説を見てもイマイチ集中できなくなってたんだけど、ゲームオブスローンズは、グッと身を乗りだしてしまうシーンも多くて、とにかく見応えのあるストーリーだった。
ここからは、若干のネタバレを含むから、まだ見ていない人はブラウザバックを。いや、ストーリーを知っていたとしても、ふつうに面白いから、気にしなくてもいいか。
一般的に、コンテンツの感想を書くと、好きな登場人物をあげるものかなと思うけれど、とくに気に入ったキャラクターはいなくて、みんなそれぞれに不完全で、不自由に生きてるなあという神の視点で見ていた。
一方で、コイツだけは許せないと思った登場人物がいて、それは、シオンでもラムジーでもなく、ハイスパロウなんだ。
僕もはじめは、なんでコイツを見るとこんなに不快な気分になるんだろうと、戸惑ったのだけど、その理由を整理してみる。
まずひとつは、ハイスパロウが自分の正当性を示すのにちょくちょく「神」を持ち出すところ。人それぞれに信じる神がいるし、そもそも神の存在を気にしない人もいるから、ハイスパロウの理屈にはなんの根拠も正当性もない。それならまだ家族で天下をとると言っているラニスターの方がマシ。
つぎに、なんだかんだ言って、けっきょく暴力に頼っているところ。聖堂でジェイミーとサシで話すと見せかけて、コッソリ手下を隠れさせていたなど。
それから、ハイスパロウの信仰に目覚めた理由。靴屋のせがれに生まれて、いい靴を作って小金持ちになって、遊び尽くしたら、ある朝とつぜん悟りをひらいたところ。
ハイスパロウが、裸足でうろついたり、炊き出しをするのは、一向に構わないし、贅沢なんて無駄やー、と叫ぶのは勝手だけど、ひとりでやれと思う。ならず者の信者を集めて、ひとに危害をくわえたり、他人を改心させようとするのは、欲望の極みで、言っていることとやっていることが、真っ向から矛盾している。
そんなフラストレーションが、溜まりに溜まっていたところで、我らのサーセイが鬼火でハイスパロウを教会ごとフッ飛ばしてくれたから、本当にスカっとした。
あんな燃え散らかしは、本来、歯を見せちゃいけない類のカタルシスなのに、罪を感じながらも笑ってしまうという、恥ずべき人間性を自分の中に見つけてしまった。僕もまた不完全な人間なんだ。許してほしい。
そんな感じで、けっこう楽しんでしまったから、お礼にAmazonのプライム会費を1年分払っておいた。他には、これといって見たい番組や映画はないのだけど。
ちなみにプライムは30日のお試し期間があるから、その間に見てしまえば、ぜんぶタダで見れるよ。
ヒマな人はぜひ。