読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

散るろぐ

千載具眼の徒を待つ

ローリングキャット

こんちは。ライターのチルドです。

みんなは猫派かな。それとも犬派?

僕は圧倒的に猫派なんだよね。あのしなやかな動きにゾクっとする。


きのうスーパーの駐車場に座ってスマホをいじっていたら、1匹の猫がふらりと現れた。茶色と濃茶のしましまは、僕の前でおもむろに横たわると、白いお腹をうえに向けてゴロゴロ、ゴロゴロと、右から左へ、左から右へと、器用に転がってみせた。

なるほど。いつもこうやって買い物客からエサをねだっているのかな、とか思いつつ、スマホでパシャリ。そいつは禍々しいシャッター音を耳にしても動じる気配もなく、なおも転がり続けていた。

これが噂のローリングキャットか…とか思いつつ、僕はその得意技をボンヤリと眺めていた。


f:id:cild:20150530094312j:plain


しばらくするとローリングキャットは転がるのを止めて、ふつうの猫に戻った。からだをコンクリートにべローンと伸ばして「疲れたぜ…」と言わんばかりに首をくたりと折り曲げた。


僕はもう興味を失ってスマホの画面に目を移していた。南の島で火山が爆発した話しと、女子生徒のスカートに手を突っ込んだ先生のニュースを読み終わってから、再び目をあげると、猫はまだそこに寝そべっていた。


f:id:cild:20150530094335j:plain


今度は逆向きになっている。しかし、どこか変だ。あまりにも薄っぺらい。僕はその違和感の正体を確かめるべく、ローリングキャットのからだを仔細に観察した。

足が1本無い。

本来あるべき場所に足がなく、平らになった箇所には、毛がふさふさと生えていた。事故で失ったのか、あるいは産まれたときから無かったのか…。

よく見ると毛の密度もまばらで、こころなしか痩せている。目元やひげの様子から察するに、猫にしてはかなり高齢なのかもしれない。

僕がじっと見つめていると、ローリングキャットはからだをよじるようにして立ち上がり、3本脚で跳ねるように駆けていった。