昨日は、吉母の浜へ行ってきた。吉母は「よしも」という地名で、日本海に面した、山陰のひなびた海水浴場なんだよ。
この浜が、あまり知られていないのは、駅がないせいで、その昔、鉄道の山陰線が通るとき、駅を作る計画があったんだけど、村人が反対して頓挫したらしい。
それから吉母は、山口県で陸の孤島のような地区になってしまったんだ。もしもあのとき、駅を作っていたら、もしも鉄道が通っていたら、この景色はどうなっていたんだろう。
この海の水は、どこまでも繋がっていて、たとえば東京の隅田川であったり、神田川にだって繋がっている。昔の人々は、この海を見ながら、なにを想ったんだろう。
もっと晴れていたら泳ごうと思っていたけど、女の子もいないし、人も少ないし、目立ちたくなかったから、泳ぐのはやめて眺めるだけにした。
もう少ししたら、海岸線に夕日が溶けて、とてもキレイだ。でも、車が待っているからもう帰ろう。