もしも自分の子供がいたら、どんなだったんだろう。夜空の星を見あげて、そんなふうに思ってしまうことって、あるよね。
きのう、小学校の卒業式を覚えてる? という話をしていて、僕はぜんぜん覚えていなかった。
A「ボクたち!」
B「わたしたちは」
C「今日!」
D「卒業しまーす!」
こんな感じの、順番に絶叫していく茶番劇があったような気がするけど、あれは中学校だったかな。本当に覚えていないんだよ。
そんな話題で盛りあがってたら、子供がいる人のほうが、独身の人たちより、子供の頃のことをよく覚えていた。
これはたぶん、親になって、子供の行事を見守ることで、自分の子供時代を追体験しているからじゃないかなと、そう思った。すれ違う少年に重ねるように、親になると、無意識に自分の子供時代と重ねてしまうんだよ。
きっと、子供を育てるって、2つの人生を生きることだと思う。自分に叶ったこと、叶わなかったこと。いろんな想いをのせて、流れる笹舟のように。
僕がそういうと、シングルマザーのあの子は「じゃあ、そこらへんの子供でももらってきたら?」なんて言うんだ。
だから僕はこう言い返してやった。
「子育てはそんな甘いもんじゃない」