2016年5月11日、博多駅周辺にて「チルドさんを囲む会」が、しめやかに執り行われた。当日は天候にも恵まれ、列席した参加者は、それぞれの抱える想いを胸に、涙と共にチルドさんを見送った。
本日はその模様をフェイクなしでお届けする。一部の内容に過激な描写が含まれるが、アドセンスポリシーに抵触しない範囲内で、忠実に再現することをお約束する。
寝坊するチルドさん
前日の夜更かしが祟り、鉛のように横たえた身体を、床から引き剥がすように目覚めたチルドさんは、時計の針を見て、再び深い眠りに落ちた。
今日が「チルドさんを囲む会」であることは承知していたのだが、なあに、まだ時間はあるさ、という甘い認識が先に立ったのである。それがチルドさんの通常運転であった。
しかし、次に目覚めたときは、もうすでに日は高く登り、曇った空は今にも泣き出しそうに、濃厚な遅刻の予感を身にまとっていた。
僕は果たして、遅刻せずに出かけることが出来るだろうか、いや、そもそも今日という日に家から出られるのだろうか…。そんな自問自答を、いれたてのコーヒーの薫りを楽しみながら考えていた。
チルドさんひさびさに電車に乗る
いざ出陣じゃ、今にも折れそうな心を、勇ましいかけ声で鼓舞し、ようやく家を出たチルドさん。集合は午後12時半に設定してあったので、ひさびさにJRに乗ることにした。
ここで、特急、快速、普通の違いについて、スマホで検索するのだが答えは見つからない。インターネットも万能ではないのだ。駅のホームを右へ左へと動き回り、普通列車に飛び乗った。
冷たい風を感じ、ふと目覚めると、電車内はバックパックを背負った学生で埋め尽くされていた。そんな中、のんびり座っている自分に軽い後ろめたさをチルドさんは感じていた。
湿った口の周りを手のひらで拭い、時計の針に視線を落とすと、もう12時半をまわっていた。まぁいいや、来るのはひとりだけだから…。
実は、このときもう既に参加者はひとりだけであった。大々的に募集した「チルドさんを囲む会」の、応募者は、たったひとりだった。その事実を伝えられないまま、チルドさんは、遅れる旨のツイッターを送った。
シブタニアタル君
各駅停車の苦労を乗り越えて、人波にあふれる博多駅のホームに立つと、いやがおうにも気分が高揚した。やはりこの感じ、ここでしか味わえない。博多なう。チルドさんはそんな使い古された言葉を新鮮に感じていた。
チルドさんは改札を抜け、筑紫口に出ると、右手にそびえるビックカメラと左手にたたずむセントラーザを、涙でうるむ目で見つめた。そして「ついたよー」と、ツイッターに打ち込んだ。
しばらくウロウロしていると、ヒョロヒョロの男の子が歩いて来た。それがSIBUこと、シブタニアタル君であった。ノリとしては軽いというか、物理的に体重が軽そうな印象を受けた。
来てくれてマジ感謝。
核心をつくSIBU少年
「ほかの人たちは、どこに来てはるんです?」SIBU君は、いきなり核心をつく質問を投げかけてきた。
まさか、この旅の最大の難所がこんなに早く訪れるとは…。いつかは告げなければならない真実だが、チルドさんの心は揺れていた。同時に本質をつく質問をしてきた、SIBU少年に相当なクレバを感じてもいた。
「ほかの人は都合がわるくなっちゃってね…」
チルドさんは、男らしく単刀直入に言った。こうゆう話は、サラっと言ってしまった方がいい。変に言い訳しようとすると、逆に不信感を招くものである。
SIBU君は、からだが一瞬ぴょこんと飛び跳ねたように見えたが、すぐに気持ちを切り替えて、ありのままの現実を受け入れてくれた。
デジタルノマド
博多と言えば、まずラーメンだろう。ちょうどお昼どきでもあったので、博多駅のラーメン屋さんに直行した。チルドさんは、ラーメンを一心不乱に啜り込みながら、しばしSIBU君の存在を忘れていた。
そして、ふと気がつくとテーブルの上のガジェットに気がついた。
それは、カメラの中にアンドロイドを内蔵した、一基10万円の機体、LTE対応SIMフリーAndroid デジタルカメラ「LUMIX DMC-CM1」 だった。
Panasonic DMC-CM1-S LUMIX コミュニケーションカメラ Android4.4搭載
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SIBU少年によれば、これを購入した直後に、食事処のソファーに置き忘れたらしい。無事に戻ってきたのは奇跡ではないだろうか。
これがデジタルノマドの恐ろしさである。
天神コアの天使たち
それから、博多駅内を移動し、カフェ、天神でスタバと食事などしたのだが、そこは大幅に端折っていいだろう。
博多は飽食と消費の街である。
天神コアには、パッと見、ランジェリー姿のようなショップ店員さんがいる。絶えず、流動する10代、20代の女の子たちは、その存在がすでにこの街のコンテンツであった。
綺麗な女の子は、お金のあるところに集まってくる。
そんな、SIBU少年の言葉を噛みしめて天神の街を歩くと、強烈なお金に対する欲望が沸き起こってきた。もしも僕がマークザッカバーグならば、この街を買い上げて、恵まれない子供たちにプレゼントするだろう。
ソニーショップ
今回、特別に印象深かったのは博多駅前に新設された「KITTE」。それから「Sony shop」である。
KITTEの前には、ハート型のオブジェ風ポストが鎮座しており、周囲には人々がまばらに群がって、写真を撮っていた。
そして、天神へ移動し、先月オープンしたソニーショップのドアをくぐった。チルドさんの目を引いたのは、Bluetoothのスピーカーであった。
SONY h.ear go ワイヤレスポータブルスピーカー ハイレゾ音源対応 Wi-Fi/Bluetooth対応 ビリジアンブルー SRS-HG1/L
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長方形のスタイリッシュなそれは、ソニーというより無印良品にありそうなデザインだった。SIBU少年と連れ立って眺めていると、ソニーショップのお姉さんはとても親切に説明してくれた。
コンパクトなボディに高性能なスピーカー、洗練されたデザインのスーツを着こなす彼女は、むしゃぶりつきたくなるような見事なおっぱいを、シンプルな白シャツに蓄えていた。
チルドさんの脳裏には、綺麗な女の子は、お金のあるところに集まってくる、という言葉がリフレインしていた。
SIBU少年
長々と、チルドさんのことばかり報告してしまったが、今回の主役はSIBU少年であった。
インターネットで稼ぎ、ニッチビジネスをひょうひょうとこなす24歳は、博多の人波をすり抜け、飽食と消費の街をたくましく生き抜いている。
その姿は、フリーかつアンバランスでありながら、奇妙な大胆さを兼ね備えた、不思議な魅力があった。
SIBU少年は、チルドさんのブログはおもしろいと言ってくれた。最近、ブログを含め、書くことに飽きていたチルドさんであったが、その言葉を胸に、またがんばろうと、決意を新たにしたのであった。
ありがとうSIBU君。
そして、いつも見てくれている読者のみんなに、感謝を込めて。
チルド
※ 追記しました