僕は、カラオケに行って歌うとびっくりされることがある。
それは、歌がすごく上手とか、極端な音痴とかじゃなくて、「この人ちゃんと声出せたんだ…」という驚きらしい。
ふだんの僕は、モグモグ小さい声でしゃべってるのに、カラオケになると急にハキハキするから、そのギャップにびっくりするんだって。
でも、僕が、カラオケでハキハキできるのは「歌詞」があるからなんだよ。あらかじめセリフが決まっていれば、ちゃんと声を出せるんだ。
ところが、日常の会話には、決まったセリフなんてない。おはよう、とか、こんにちはの挨拶は決まってるけど、会話を始めたら、ぜんぶアドリブ。
そこで僕は、どうもトンチンカンな受け答えをしているようで、途中で相手が必ず?の顔になる。シマッタ、僕はまた変なことを言ってしまったのか、と思って声のトーンが落ちる。
それから、声もちょっと甲高い。魚のことで有名な「さかなクン」も、子どものころ、声が高くて笑われたという話をしていて、変わった声だと、会話の内容に関係なく、みんなクスっとなってしまうらしい。
僕は、受け答えのトンチンカンと、変わった声、その両方を兼ね備えたハイブリッドなんだよ。だから、僕が会話すると、相手はまず声の甲高さでクスっとなって、内容でブホっとなる。
その繰り返しで、僕はどんどん自信を失ってしまって、声が小さくなって、最後はモグモグとしか喋れなくなってしまったんだよ。
そこで僕が考えたのは、初対面の人には、まず、できるだけ低い声で話すことだった。そこから徐々に上げていって、慣れてきたなっと思ったら、ふつうの声のトーンに戻す。
つぎに、内容だけど、これがなかなか難しい。トンチンカンな受け答えってどんなのと、聞かれると、また困ってしまう。適切な受け答えがパッと思いつかない。
だから、新しい交友関係を作っても、ふつうに会話できるようになるまで、ずいぶん時間がかかってしまう。それが、僕に友だちが少ない原因にもなっているんだよね…。
そうゆう訳で、僕にとって文章を書くのは、ずいぶんと気楽なことなんだよ。声を出す必要もないし、内容に気も使わなくていい。
なにより、相手の顔色をうかがわなくていい。それが一番だよ。笑われたり、なに言ってるの? って顔を見なくていいから。
あの顔、見たことある?
人がひとを笑うときの、残酷な微笑み…
「この人、なに言ってるの?」 って思ってるときの冷たい視線…
このブログでも、コメントによく辛辣な意見を目にするけど、それは本当に当たってるよ。おそらく僕はトンチンカンなことを言ってるんだと思う。
だけど、街頭に立って、拡声器で話してるんじゃないし、マフラーを外した車で、騒音を撒き散らしている訳でもないよ。
だから、もう少し優しい目で見てもらえないかな。ホントに悪気はないんだよ。
僕からのお願いでした。