散るろぐ

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ふともも検索

あんな美しい白はないと思わない?

あの滑らかな曲線と優美なフォルム(形ではなくフォルムと表現したい)。例えようもなく甘美で、女性らしさをしっとりと内包したピュアホワイト。

そうなんだ。僕は近ごろ「ふともも」という単語で画像検索をするのが、すっかり日課になってしまった。

それというのも、あるブログに「靴を買いに行ったら、女性の店員さんが、太ももに足を乗せて試着させてくれた」というエピソードが綴られていたからだよ。もちろん客(男性)は、試着した靴を秒速で購入してしまった。

僕も長年、接客の仕事をしてきたから、その手の話しには、なみなみならぬ興味がある。「ふともも」に足を乗せて試着するという体験は、さぞかし効果があるだろうなと感慨深く思った。


http://www.flickr.com/photos/85904220@N00/3438576252
photo by Renato @ Mainland China

僕の接客方法

僕が接客するときに考えるのは、大きく分けて3つだけ。まず、お客さんの身なりから、どれくらいお金を使う(使える)か判断してる。 目安としてはバックを見る。あとはアクセサリーかな。

それと髪の毛。うちは百貨店みたいな高級店ではないから、お客さんも、それほど身なりを構ってないときがある。そんなときは髪の質感を見て判断するんだよ。髪の手入れってお金がかかるんだ。それに、どんな装いでも、髪の質を急に変えられたりはしないからね。


そうして、どの価格帯なら買えそうか当たりをつける。ざっくりだけど、高価、普通、安価、というように。安価が合いそうだったら、できるだけ普通を買ってもらえるように努力しながら、お買い得な(安価)の商品を勧めてる。逆にお金持ちだったら、高価なのしか勧めない。

ちなみにこれは女性のお客さんの場合。男性のときは、どんな商品が必要なのか丁寧に聞くようにしてる。

すべて消耗品

…ここまで読んで「こんなゲスな店員からモノを買いたくない」そんな風に思われてないかな。ちがうんだ。すべてはお客さんのため、商品を愛してもらうための合理的な手順なんだよ。

商品というのは、長い目で見ればすべて消耗品になる。だからリピーターになってもらえることを前提に商品を勧めているんだよ。そのときの雰囲気でお客さんの予算をオーバーした商品を売ってしまったり、価格よりクオリティを求めてるお客さんに、コスパがウリの商品を売ってしまったりしたら、リピーターにはなってもらえないから。

僕が考える販売は、お客さんの価値観、そしてライフスタイルにピッタリ合った商品を提供することなんだ。

それが僕の20年間の答え。販売をやり続けて出した答えなんだよ。だけど、正解ではない。効率的ではあるけれど正解ではないんだ。

優秀な販売員とは

優秀な販売員とは結果を出すこと。より多く売り上げるのが、会社にとって最も有益な人材だよね。

そうなると僕のやり方はぬるい。いかにも手ぬるいんだ。お客さんの立場になって考える「おもてなし」みたいな甘い理想じゃ、優秀な販売員にはなれない。

売上げを増やす最も有効な手段は「手当り次第に声をかけ、説明を複雑にして、とにかく高い商品を売る」ことなんだよ。悲しいけどそれが現実。そして、これを実践できているのが、携帯ショップ。実に、実に優秀な販売員がそろっている。

優秀な販売員と褒め称えられたい

僕は、優秀な販売員だと褒められたかった。でもお客さんの喜ぶ顔も見たかった。 会社の利益とお客さんの利益…。僕の心は、その狭間でいつも揺れていた。

僕の心は純粋で汚れがなさすぎる。優秀な販売員になるには、あのふともものようにピュアホワイトすぎる。人々を愛しすぎてしまっているんだ。

だから僕は、優秀な販売員になる夢をあきらめた。僕は気がついたんだ。会社に嫌われることを恐れる必要はないってことに。むしろ自分らしく生きられないことを恐れるべきなんだって。

僕は間違っているのかな。

それでもいい。

「ふともも」の画像検索さえできれば、 もう何がどうだって構いやしないんだ。