赤毛のアンこそ僕のアイドルだよ

僕の中のアイドルといえば、やっぱり赤毛のアンかな。

赤毛のアン好きは、昔から公言していて、いろんなひとに勧めていたんだけど、あるときネットで「夢見る少女じゃいられない」と揶揄されて、それから控えるようにした。

自分が心から好きなものを揶揄されるのって、けっこう刺さるよね。文脈にもよるけど、まだ20代はじめの頃だったから顔が熱くなったのを覚えている。

赤毛のアンの、どこが面白いの?ってのはあるかもしれない。あらすじをザックリ言うと、孤児院から田舎に引き取られてきた、愛情に飢えた少女のアンが、大人になっていく過程をエピソードを交えてお伝えするストーリー。

主人公のアンは、魔法も使えないし、空も飛べない。とくべつ美人でもなければ、歌姫でもない。もちろん触れたものすべてを凍らせたりなんかできやしない。

生い立ちも、不幸ではあるけど中途半端で、悲劇のヒロインのシンデレラストーリーにはならない。

赤毛のアンは、本当に、どこにでもいるありふれた存在なんだ。僕の中にもいるし、あなたの中にもいる。年齢も、性別も、国籍も関係ない、言うなれば普遍的に存在する心の小さなランタンだ。

でもそのランタンの火は、日々の生活の中で小さくなってしまう。そしてときには消えてしまう。僕らは、ランタンの灯しかたを思い出せなくて、途方に暮れてしまう。

そんなとき「赤毛のアン」は、心のランタンの灯し方を思い出させてくれる。その指のひと振りで、何気ない仕草で、きっとあなたの心を溶かしてくれる。

赤毛のアン―赤毛のアン・シリーズ〈1〉 (新潮文庫)

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