たまにはブログでも書こうかな。
なんにも反応ないから、ブログも書く気にならないけど、たまには書いとかないと、ゲームとアマゾンプライムだけのネットになってしまうからね。
反応がないってのは、まるで不感症の女の子を抱いているようで寂しい。「抱く」なんて、ちょっと背伸びしすぎかな。次からは「愛撫」くらいにセーブしておこう。
今日は、僕の彼女について書くよ。ぜんぜん出かけずに、お家で寝ているから、他に書くことが思いつかなくて。
休日の彼女は、だいたいテレビをずーっと見ていて、僕はその横で、スマホを見たり、ゲームや本を読んだりしている。
そして、疲れたら、彼女のとなりで布団にくるまって寝ている。彼女はたいてい、肌色のブランケットにくるまって、アザラシのように横たわっている。
生地のうえからなでてみると、ほんのりと温かくて、柔らかくて、ちゃんと生きてるんだと思う。カラダはぽっこり膨らんで、押してみるとウォーターベッドのようにタプタプしている。
お腹に耳をあててみると、ぐるぐる、ごろごろというような、水の流れる音がして、生きてるって感じがする。
顔は、まるくて小さくて、いま流行りの秋田犬によく似ている。髪はセミロングで、いつもクシャクシャになっているから、きれいに直してあげている。ときどき指がひっかかって、痛くしてしまうけど。
そういえば、このまえ僕が座ろうとしたところに、彼女が手を出していて、バキって音がしてビックリした。幸い、骨は折れていなくて、しばらく湿布をしていたら治ったけど、気をつけなきゃと思った。
それから、いつだったか、ふざけて押し相撲をしていたら、ポンっと押した拍子に、後ろにコロンと転んでヒヤっとした。
そのときは、幸いうしろに何もなくて、事なきを得たけど、一歩間違えば大事故になるところだった。カベに後頭部をぶつけたり、転んだ先に硬いモノがあったら、再起不能になってしまうところだった。
本当にラッキーだった。
ちなみに、押し相撲というのは、手で押して先に足の動いた方が負け、というお遊び。彼女はこれがお気に入りで、よく仕掛けてくるのだけど、冷静に考えたら、僕が本気を出したら、絶対にあぶない遊びだから、今後はやってきても、やり返さないように注意しないと。
そんな事を考えながら、ブランケットの上から、身体のラインを確かめていると、その手触りがとてもリアルで、まるで生まれたときから、その毛皮だったんじゃないかと思う。
若かったころは、それからキスをしていたけれど、今は頭を撫でるだけにしている。そして、腕を優しくひっぱり出して、手をつなぐ。
なにも手に入らなくて、いろんなモノを手放して来たけれど、この手さえ握っていれば、それだけで充分だと思うんだ。
そして僕は、また微睡みに落ちていく。