ちるろぐ

ここが僕のアナザースカイ

ビリギャルがくれた絶望とビリボーイの憂鬱

こんちは。ライターのチルドです。

みんな「ビリギャル」って知ってる? 今ちまたで大絶賛のシンデレラストーリーだよ。知らなかったら調べて。ネットだからってなんでも安易に教えてもらえると思ったら大間違いだからね。


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photo by rinchiao

あらすじ

知らない人のために公式サイトから資料を持ってきたよ。僕もそこまで鬼じゃないからね。

中学、高校で学年ビリを経験し、高2の夏に小学4年レベルの学力しかなかった。素行不良を理由に何度も停学になり、学校の校長に「人間のクズ」と呼ばれたことも。

高2の夏の坪田先生との出会いを機に、日本最難関レベルの私大、慶應義塾大学の現役合格を目指すことになる。結果、1年で偏差値を40上げて、複数の難関大学のほか、慶應義塾大学に現役で合格を果たす。現在は、ウェディングプランナーとして活躍する。

ビリギャル公式サイト|『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』

要するに、高2までぜんぜん勉強してなかった女の子が、わずか1年で有名な難関大学に受かっちゃったって話し。それがフィクションじゃなくて実話だから驚きだよ。まずネットで話題になり書籍化。とうとう映画にまでなった。

生粋のビリボーイ

ビリと聞くと過剰に反応する僕は、生まれたときから生粋のビリボーイだった。ds(男子小学生)時代はふつうのテストで0点を連発してた。dc(男子中学生)のころのテストの平均点は20点、偏差値は37。もちろん評価は1と2。5段階評価の通信簿は1と2しか見当たらなかった。

高校は地域でも最下位だった。学校の名前を言うとあからさまにポンコツって嘲笑されることもあるくらい。それでも、うちのお祖母ちゃんが年金から安くない学費を払ってくれたから、なんとか卒業した。

そして今では正社員としてまっとうに働いてる。ポンコツからちょっとは役に立つ人間へ更生したよ。ビリボーイだってがんばった。誰にも賞賛されることはなかったけどね…。

手に入れたのは学歴

ビリギャルってそもそも昔はワルだった系のストーリーだよね。ずっと真面目に勉強してきて慶應に受かっただけなら、ドラマにならないから。

僕はビリギャルの実在のひとは、素直にすごいと思うよ。ただ、それを絶賛したり、奇跡だなんて調子に乗ってる世間がイヤなんだ。当事者の間では喜ばしいだろうけど、外野が感動とか勇気ってのはモヤモヤする。

ポイントは難関大学に受かったってところだけど、そこにすら受からない浪人生っているよね。ビリギャルが絶賛されればされるほど、浪人生とその家族はいたたまれない気持ちにならないかな。

もう、どこかで言われてると思うけど、学費だってすごい。1000万円くらいかかるんだよね。一般家庭が簡単にどうにか出来る金額じゃない。

じっさい、受験はひとりの出来事だけど、そこに至るまでの過程とか家族のサポートがあって、はじめて結果がついてくる。それを少しでも想像できるなら、ビリギャルは手放しで賞賛できるような話ではないってこと。

ビリギャルはがんばった。ビリボーイもがんばった。Fラン大生もそれなりに生きてる。

ドラマは無くても、みんなそれぞれ地道にがんばってるんだよ。






ダメだった主人公が努力して手に入れたのは仲間でも良心でもなく「学歴」ってところが、どうにも引っかかるよ…という話題でした。




んじゃ、またね。