こんにちは。タイトルの通り、今日は「はけ口」を紹介しようと思います。
たまったウップンや、やりきれない感情。抑えきれない欲望。そんな人間のカルマをすべて呑みこむ、大きなはけ口。
はけ口は、文明の進化とともに、まるでイワシを捕食する白鯨のように拡大してきました。つまり、社会的動物である人類の歴史は、はけ口の歴史とも言えるのです。
さあ。はけ口へ向かいましょう。
ストレスのはけ口
仕事や人間関係の不和、環境の変化などで生まれるストレス。そんな重い感情は、はけ口で消化してしまいましょう。健全なのは、スポーツなどの運動で発散することですが、内向的に家族へ向かうのもアリです。また、ストレスは肥大しやすいので、はけ口の突っこみ具合がハードになりやすいです。
怒りのはけ口
フとした拍子に起ってしまうのが怒りの感情です。そんなときは、怒りのはけ口に全部吐き出してしまいましょう。ただし、怒りは無差別にぶちまけらないので、怒りのベクトルは、自分より弱い立場へ向かっていきます。弱い者たちが、さらに弱いはけ口を求めて彷徨う、エンドレスジャーニーです。
欲望のはけ口
欲しい物が手に入らなかったり、性欲が高まると、欲望のはけ口が生まれます。近年の肥大した性欲は、代替のはけ口として、一大産業に発展しています。不満のはけ口
弱者になるほど溜まりやすいのが不満です。不満はなかなか解決しにくいので、不満のはけ口の需要は年々高まっています。愚痴のはけ口
酒場で元気のない口を見かけたら、それは上司の愚痴のはけ口でしょう。暗い目をした長女を見かけたら、それは母親の愚痴のはけ口でしょう。愚痴は、はけ口に積もり積もって、やがて溢れてしまいます。愚痴を言いやすい、話しやすい人は、はけ口として生まれ、そして、はけ口として生涯を終えてしまうでしょう。
最後に
いやぁ、はけ口って奥深いですよね。わる口、かげ口、おちょぼ口。口にもいろいろありますが、僕が好きなのは、はけ口です。
なんて言うんですかね…。はけ口の内包する、構造の複雑さだとか、それでいて人間味あふれるエモさだとか。
そして誰かが、はけ口になったり、はけ口を求めたりする姿は、どんな物語より純粋でエゴイスティックなんです。捻れて絡まった、ジャングルのような風情があります。
そう考えると、人は、自由への出口より、全てを呑みこんでくれる「はけ口」を、求めているのかも知れませんね。
あなたの「はけ口」は、誰でしょう。
今日は、ここまで