ちるろぐ

ここが僕のアナザースカイ

僕の思い描くブログ飯

ブログ飯について、僕もちょっと口をはさみたくなった。

ブログで生活するなんて本当に出来るのかな。誰かはゼッタイに無理だって言うし、他の誰かは可能だって言う。その上から、そんなアンバランスな生活は御免だよって言う人まで現れる。

実際のところ、ブログで生活してる人がいるのだから、ブログ飯は可能なんだ。だけど弱肉強食の成果主義だから、サラリーマンのように、書けばお金をもらえる甘い世界じゃない。

つまり、サラリーマンには最低保証があるけど、ブログ飯には無い。ただそれだけの話しなんだ。

そこで今日は、僕が理想とするブログ飯を紹介しようと思う。ブログをやっている人なら、だれでも一度は夢見るサクセスストーリーだから、先入観を捨てて、童心に返って読み進めてほしい。

不満をブログにぶつける

僕がブログを始めたキッカケは、仕事の愚痴や、会社への憤り、社会に対する不平不満をぶちまけるためだった。

書くと、スッキリした。

まるで溜まった欲求を自己処理したような快感があった。それからの僕は、ちょっと不満があれば、なんでもブログに吐き出した。気がすむまでこすりあげて、ストレスを発散していた。

すると、それが不思議と人気になった。僕と同じように鬱屈した思いを抱える人たちの共感を呼んで、ファンが増えていった。

安い承認欲求

学校や職場では、誰からも相手にされなかった僕が、ブログなら賞賛を集められる。書けば書いただけレスポンスがある。それは、今までの無関心よりはるかに有意義だった。

嬉しかった。たとえそれが批判であっても。僕は独りよがりな理屈を振り回して、誰かしら、何かしらの反応を引き出そうとした。

対面によるプレッシャーもなく、ディスプレイへ向けて書き連ねる。それだけで満たされる安い承認欲求。

無責任な記事

そうこうしていると、文章を書くのにも慣れてきた。ぶっちゃけ、どんなジャンルでもそれっぽく書けるようになった。

僕は生半可な知識で、エビデンスもロクにとらずに知ったふうな記事を連発した。当然、間違ってるって指摘もあったけど、黙殺した。

「やめてしまえ」

僕のメールボックスは、そんな手紙でたちまち、いっぱいになった。

だけど、やっと手に入れた万能感だよ。それをおめおめと手放す気にはなれなかった。正確な情報が欲しけりゃ、初めから文献を読んでいろよ。

広告報酬

僕は相変わらず、ストレスをブログに昇華していた。ときには、自分を文豪と呼び、文才あふれる天才だとうそぶいた。ここなら、なんとでも言える。僕はブログの自由を履き違えて調子に乗り続けた。

アクセスは自然と増えていった。試しに広告を貼り付けると、わずかながら報酬が発生した。最初は数千円だったけど、それはやがて数万円にアップした。気がつけば10万円を超えるようになっていた。

月々の手取り額は、いつの間にか給料と合わせて40万を超えていた。

仕事を辞める

毎月、広告報酬が振り込まれてくると、会社へ行くのがバカらしくなった。毎日同じ時間に、同じ場所で、何をやっているんだろう。

僕は、ある日、そんな疑問を感じて、会社へ行くのをやめた。ワイにはブログがある。ツイッターで知り合ったニキもネキも、会社なんて行っていない。

恐れる物など何もない。

僕は、僕を評価しなかった社会に、こっちのステージで復讐してやる。デジタルリベンジだ。ほえずらかくなよ。

一般人女性と結婚

ブログ生活も5年目を迎え、ブログで稼ぐをコンテンツに、さらにフォロワーが増えていた。サラリーマン時代には考えられない自由な生活だった。

僕は、思い立ったら飛行機に飛び乗り、世界各地を旅した。北海道で毛ガニとイクラをたらふく食べた。

人との交流も増えた。誰もが僕と会いたがった。人生初のモテ期がやってきた。ブログを通じて知り合った女子大生と付き合って、最終的に30代のウェブデザイナーの女性と結婚した。

絶頂期

偶然、買い取ったメディアが順調に成長して、年収は1000万を超えていた。ドイツ旅行記が好評で、あごあし付きでイタリアの取材依頼が舞い込んだ。

「イタリア最高」僕がサグラダ・ファミリアの頂上でと呟くと、瞬く間に100万リツイートされ、ツイッターがダウンしてしまう。

都内でパーティーを開く。翌年、株式会社 散るろぐ
をローンチ。音速で東証一部上場を果たし歴史に刻まれる。

情熱大陸に出演

僕の活躍が周知されて、現代のブログ長者として情熱大陸に出演する。コタツに寝転んでブログを更新している姿が放映される。みかんを食べながらブログ論を語る。

セミリタイア

こうして振り返ってみると、運に恵まれたブログ人生だった。20年のサラリーマン人生の後に出会ったブログ飯。

それが僕の人生を一変させた。

僕が今、これからブログを始めようとする若い人に伝えたいのは、ありきたりだけど、夢をあきらめるなということ。

神はときとして理不尽だけど、グーグル神は努力を裏切らない。神の目は曇るけど、グーグル神の目は全てを見通している。グーグル神は、きっと、僕の良いところを、ちゃんと見ていてくれたんだろうね…。



さて、そろそろ終ろうか。

僕のサクセスストーリーに付き合ってくれてありがとう。

早く出社しないと怒られてクビになってしまう。