ちるろぐ

ここが僕のアナザースカイ

スペック不足を補う思考法

今日はスペックについて話そうかな。

僕が学校にはじめて登校した日、まるで猿の群れにほうりこまれた気分だった。向こうからすれば猿は僕のほうだったのだろうけど。

覚えられない。計算できない。カタカナ書けない。人と同じことできない。IQテストでは可愛い先生にふざけるなと怒鳴られた…。

パソコンにたとえるなら致命的なスペック不足。つまり、生まれたときから、情報を処理したり記憶する能力が圧倒的に足りていなかったんだ。

そんな僕がこの世界を生き抜くための生存戦略。今日はそれを紹介するよ。


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不要なアプリを削除する

低スペック最大の弱点は記憶容量(メモリ)が少ないところ。だから余計なアプリを常駐させちゃいけない。たとえば「プライド」や「悩み」なんかは、物心ついたころに削除したよ。

音楽や書物も容量を圧迫するから、保存したいデータは、ウェブクラウドにまとめてアップロードする。クラウドして自分のメモリに余裕を持たせておくんだ。

今でこそ常識になっているクラウドだけど、僕は30年まえから取りいれてる。時代を先取りしてたってとこ。

現在から未来を考える

不要なアプリを削除するとフットワークが軽くなるよ。みんなから「悩みがなさそう」と言われる。

僕はその軽快になったブラウザで、はじめは読書から、そしてインターネットで加速度的に賢くなっていった。

気をつけていたのは情報の圧縮。ぜんぶ覚える容量はないから、いつも現在を見る。今起こっている事実にフォーカスして、未来をイメージするんだよ。

他人の成功体験を見るのは楽しいけど、過去の出来事だから参考にならない。あれを低スペックが真似すると、これをこうして、あれをこうして、それから……それからどうするんだっけ?ってなる。

ライフハックや自己啓発なんかも、過程を扱ってるからダウンロードしても意味がなかい。詰めこむと脳がフリーズするんだ。

だから過去はキッパリ忘れる。

どのみち覚えられやしない。今日と明日。現在と未来。それだけを見ていれば迷うことなんてない。

視覚効果をオフにする

ときどき低スペックがぼーっとしているのを見かけない?

あれはサボってるんじゃなくて、情報を処理しきれずに重たくなっているんだ。

人間は、視覚から入ってくる情報を無意識に処理してる。通常のメモリならそれを同時に処理できるけど、低スペックはパニックになるんだ。

僕は複数のタスクを同時にこなせない。そこを自覚しなきゃならない。問題はひとつづつ処理していくよ。常にシングルタスクで解決だ。

アウトプットを安定させる

過去にしたことを忘れて、違う行動や発言をしてまうのが低スペック。でも、頭の良い人はしっかり覚えてるから、僕に悪気がなくても糾弾されてしまう。

だから、生存戦略において、アウトプットの丘を奪還するのを最も重要なミッションに位置づけた。そのために編み出した戦術が「思考のテンプレート化」なのだ。

いつもまっさらな気持ちで課題と向きあい、自分はこう思い、こう考えて、こう結論(発言)した、と自分の行動(発言)をトレースしやすくしたんだ。

コツは感情を交えずロジックで整理すること。感情を持ち込むと、そのときの気分でアウトプットもブレてしまうからね。

矛盾した行動(発言)を減らし、アウトプットを安定させる。それが僕の見つけた最適な生存戦略なんだ。

まとめ

そうは言っても、いまだに記憶は曖昧だし、相変わらず人と同じことができない。

カタカナは特訓して書けるようになった。(僕がカタカナを書けないってわかったときの、あの親父の顔。みんなに見せてやりたかった)

計算は苦手なまま。仕事でお金を数えるから、計算は得意になったし、帳尻もちゃんと合わせられる。なにごとも1万回やればできるようになる。

でも、みんなのやり方とは、きっと違うやり方してるんだよ…。

なぜ僕と同じにしてくれないんだ…

大昔、人類が集団で狩りをして、どうくつに住んでたころ、僕みたいに、ひとと同じにできない、予測のつかない行動をする奴は、コミュニティからつまはじきにされていたらしい。

そう考えると、現代に生きている僕は恵まれてるんだ。

だけど、どうもげせない。

なぜ僕がみんなに合わせなきゃいけないんだ。権力…。みんなが僕に合わせるような世の中にならないかな。

僕はそんな権力になりたい。