ちるろぐ

ここが僕のアナザースカイ

法人格は治らない。永遠に

法人格ってなに?

って思ったよね。わかる。

さっき思いついた言葉で、人の場合は人格。

だから、法人格は法人の格、つまり、会社という組織の人格みたいなものなんだ。

それが、永遠に治らない、法人格は治らない、というテーマで、今回はお届けしたい。



まず、個人的な話しからすると、僕の働いてる会社は、ここ10年のあいだに、社長が3回変わった。

初代の創業者、こいつを仮にAとすると、つぎがB、それからC、おまけでD、てな感じでコロコロ変わってきた。

初代のAは、かなりヤバい人物で、たとえば平成20年代なのに最低賃金を無視してたり、店の売上をそのままポケットにいれて飲みに行ったりしていた。

経営は、昭和初期の価値観そのもので、セロテープを貼る長さが2センチだったら怒鳴る(1センチでも足りる)など、ほかにも、意味わからないとこでキレることが多々あった。

人件費も限界まで切り詰めて、むかし税務署に入られたとき、どうやったらこんなに人件費を少なくできるんですか?って驚かれたらしい。

昭和50年生まれの僕が、20歳のときの基本給、13万2千円。僕よりまえの人たちは、9万円8千円とかで、ハローワークの求人が最低賃金の明記を厳しくしたころで、社内で僕のスタートは超ラッキーだと囁かれた。

ピークの年商3億にたいして、社員とパートの総額が2500万弱だった。ちなみに原価率は35パー。ついでに、そのころ資金難でボーナスカット事件があったらしくて、滅茶苦茶なドンブリ勘定だったのがよくわかると思う。

それでも、晩年はけっこう落ちついて、振り返れば僕の性格にはあっていた社長だった。

給料の安さも、良い商品を安く仕入れるのと同じ感覚で、商売で絶対に儲ける、という信念があり、最後まで1ミリもブレなかった。


そんな社長が、年金を1円ももらうことなく急逝してしまって、ちょっと悲しかったけど、泣くほどでもなかった。

ごめん、ここからが本題なんだけど、まだついてきてくれてる?

マジで大事なこと話すから、しっかり聞いてほしい。 


そんな感じで、先代社長Aがいなくなっちゃって、その後の会社はどうなるんだろう、って思うよね。

僕もおもった。

将来はともかく、この会社が現状で財務的にプラスなのはわかってたから、ちょっとはマシになるって思った。

パートさんなのに絶対休めなかったり、有給をまったくとれなかったりと、環境的にかなり無茶してたから、そのへんちょっとマシになるかなって。

誰だって、そう思うよね。

でも、それは甘い。

超絶にあまかった。

13回忌を迎えた今だからわかるけど、会社の社長が変わるってのは、とんでもない災いの始まりなんだ。肝に命じてほしい。なんなら、彫刻刀で腕に刻んでもいい。

大きい会社はわからないけど、みんなの9割は中小零細企業で働いてる。統計上そういう数字が出てる。

なにが起こるかって、詳細を書いてもいいんだけど、それぞれの会社に、様々な事情があるから、あえて書く意味はないと思う。

ただ、ひとつだけ言えるのは、社長が変わるのはマジでヤバい。

しばらく様子を見てもいいけど、ちょっとでも違和感があったら、迷わず逃げた方がいい。

なるべく早く。

ものすごく陳腐な話しをするけど、想像してほしい。会社で働いていて「コイツとは合わないな」という経験が、誰しも一度ならずある。

そうなんだ。

社長になれば、そいつを合法的にマッサツできる。

たとえそれが、どんなに小さなものでも、権力は人の本性を丸裸にする。

権力は、僕のように善良で純粋な人間に、耐えがたい現実を見せる。

どちらが正しいか?間違っているか?じゃない。

権力があるかないかだ。