40年も実家暮らしだった僕が、一人暮らしをはじめてもう2年経ったよ。最初は不安だらけだったけど、今はちゃんと独立して立派なオトナになった。
そこで今日は、初めてのお部屋探しと、借りてから入居するまでのコツを教えるよ。過去の日記も振り返りながら「あのときこうしておけばよかったー」というポイントも合わせて書いていく。
もしも、僕と同じように、一人暮らしをしてみたいけど、どうすればいいか分からない人や、一人暮らしに不安で迷っていたら、参考にしてみてね。
じゃあ、いってみよう。
はじめに
僕がひとり暮らしを始めようと思ったキッカケは、いつまでも実家暮らしだとカッコ悪いなー、と思ったから。40歳になって、結婚もしてなくて実家暮らしだと、甘えてるって思われるもの。
ちょうど、ブログも書いていたし、ひとり暮らしなら、面白いこと書けるかもって思ったりして。
ところが、現実はそんなに甘くなかった。
そーゆー、オトナの賃貸をしたことないから、契約書とか見るとひーってなるんだよ。途中で何度あきらめそうになったことか。でも、そんな弱い僕を、励まして、背中を押してくれたのが、オンラインの向こうのみんなだった。
お部屋探し
初めてのお部屋探しだけど、Yahoo知恵袋をみたら不動産屋さんよりインターネットで探した方が良いって書いてあった。不動産屋さんは、良い物件を隠していたりすることもあるんだって。
さっそくスマホで近所の住所を検索してみると、カンタンに見つかった。見つかったというより、向こうから殺到してきたよ。
ネットってすごい。
住みたいのは1Kだったから、まずは1Kの相場をチェックしてみた。僕の住んでいる地域では、新築のマンションで5万円、全体的には、2万5千円〜5万円くらいだった。
家賃の目安
家賃だけど、一般的には、給料の手取りの3分の1が目安なんだって。例えば、手取りが15万円だったら家賃は5万円。それを越えると、お金が足りなくて生活が苦しくなるらしい。
僕の手取りは17万円だから、5万円でもイケそうだけど、もうちょっと安い3万円〜3万5千円で探してみた。
あの時をふり返ると、結果として、この選択はすごく正しかった。お部屋を借りると色んな出費があるから、家賃は余裕をもって少なめに、手取りの4分の1くらいにしておこう。
場所の決め方
借りるお部屋は、駅やバス停の近くがいいとか、人それぞれあるよね。僕はとくにこだわってなかったけど、今の駐車場の近くが便利だから、その近所にした。
けっこう静かでコンビニも近くて便利。でも、夜になると道が暗いんだよね。僕は男子だから平気だけど。
お部屋を決めて、自分で見に行ける場所だったら、周りがどんな様子か見にいった方がいいよ。近所の雰囲気も確かめた方がいい。
建物の決め方
僕は、一人暮らしするとしたら、マンションタイプが良いと思ってた。その理由は、近所に建った賃貸アパートを見てしまったから。
そこは、テレビで宣伝してる賃貸ショップが建てた、2階建てのアパートだったんだけど、工事中に見た柱が、めちゃめちゃ細かった。家って、あんなヒョロヒョロの柱で建てられるんだとビックリしたよ。
僕は、建築に詳しくないけど、2階建てのアパートタイプって、すごいカンタンに建てられてしまうんじゃないかな。だから、住むなら4階建てより高い方が頑丈でおすすめ。
不動産屋へ問い合わせ
条件に合う部屋が見つかったから、いよいよ不動産屋さんへ電話するんだけど、電話することを考えただけで、胃がキリキリと痛む。
一人暮らしに不安はないけれど、その手続きのややこしさを考えると、心が挫けそうになるんだよ。
でも、勇気を出して電話したら、男の人が出た。「○○の部屋を見たいんですけど、まだ空いてますか?」って聞いたら、すぐに内見できますよって教えてくれた。
お部屋の内見へ
電話で約束した時間に行ってみると、ホストっぽい人がいた。それが不動産屋の係員のひとで、かるく挨拶してから、さっそくお部屋に入ってみた。 第一印象は狭かった。1Kってこんな感じなんだー、と思ったよ。でも、エアコンもついてるし、清潔で気に入ったからここにした。
ところで、ホストがほとんどしゃべらない。「質問しないと何も教えないよー」という雰囲気なんだよ。でも、とくに不審なところはなかったから、その場で仮契約書にサインした。
後から思ったんだけど、このとき、もっと詳しく聞いとかないといけなかった。
見積もり書
内見をすると、案内人は見積もり書を持ってくるよ。これが、僕の内容。
◆見積もり
カギの交換:15,000円
お部屋の消毒:15,000円
安心ライフ保険:15,000円
退去時の保証金:35,000円
火災保険:16,000円(2年分)
更新費:10,000円(2年分)
初回の家賃:35,000円
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合計:145,000
ちなみに、このお部屋は、敷金と保証金は0円で募集してた。
入居するには、最初にこれだけかかります、という見積もりなんだけど、ここで話を決めておかないと、あとで後悔してしまうよ。
この中で、本当に必要なのは、カギの交換と火災保険だけ。実は、ほかのは任意(自由)なんだよ。だから見積もりのときに交渉しないといけない。
まず、火災保険じゃない、別の保険に気をつけて。安心ライフ保険(仮名)というのは、お部屋のトラブルサポートなんだけど、ちゃんとした大家さんだったら普通にしてもらえることだから、入らなくてもいいよ。僕もこれは消してもらえた。
それと、火災保険は必要だけど、保険会社は自分でも選べるよ。例えば、県民共済の賃貸保険なら2年で8000円とかもある。面倒じゃなければ、自分で掛けたいって聞いてみて。
お部屋の消毒もしなくていいと思う。僕は払ったけど、たぶん何もしてないと思う。退去時の保証金も、実質的には敷金だから、拒否できたのかも。
あと、注意したいのが更新料。いくら家賃が安くても更新料が高すぎたら意味ないよ。ひどいところは2年おきに5万円とかするらしい。5万円もしたら毎月の家賃が2000円アップするのと同じだから、すごく損するよ。
保証人について
はじめて部屋を借りるときは、けっこう審査が厳しい。知り合いの不動産屋さんじゃなかったら、99パーセント保証人がいると思う。それも、親か兄弟を求められる。
でも、事情は人それぞれだから、ゼッタイに親じゃないとダメとか言われたら、あまり良い不動産屋じゃないかも。
僕は、姉に保証人になってもらった。
家賃の支払方法
もうひとつ気をつけたいのが、家賃の支払方法。僕は言われるがままに不動産屋さんの指定したクレジットカード払いにしたけど、実は、現金の手渡しが一番良い。その次が銀行口座からの引き落とし。
この2つなら手数料いらないから。
ダメなのが、不動産屋さんの指定する銀行振り込みと、不動産屋さんの指定したクレジットカード払い。これだと、手数料をこっちが払わないといけなくなる。
だから、振込む場合は、手数料いくらか確認すること。クレジットカード払いだったら、自分のクレジットカードで払いたいって言ってみて。手数料もバカにならなくて、年間で7,000円くらいになる。家賃は、それも含めて考えた方がいいよ。
◆僕の家賃
家賃:33,000円
共益費:2,000円
振込み手数料:600円
火災保険:666円(16,000円÷24ヵ月)
更新料:450円(10,800円÷24ヵ月)
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合計:36,716円
火災保険と更新料は、2年分だから月割してる。カギの交換とかは1度ですむけど、保険や手数料は、ずーっとかかるから、始めによくチェックしないとね。
それと、電気、ガス、水道は、このくらいになるよ。
◆一人暮らしの水道光熱費(平均値)
水道:2,000円
電気:3,000円
ガス:3,000円
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合計:8,000円
◆僕の水道光熱費
水道:1,650円
電気:150円
ガス:950円
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合計:2,750円
僕は使わなすぎだけど、節約すれば5,000円くらいになるかなと思う。あと、プロパンガス(LPガス)の物件は、避けたほうがよさそう。すごく高いらしいよ。
新居への引っ越し
引っ越しは、実家のすぐ近くだったから、荷物はぜんぶ自分で運んだよ。こっちで必要なのは、テレビとベッド、冷蔵庫と洗濯機くらいだから、新しく買った方が早いかも。僕はテレビ見ないからもってないけど。
実家にあった物は9割捨ててしまった。断捨離じゃないけど、古いものは処分して、新しい部屋のサイズに合った家具を買った。テーブルとマットレスくらいだけど。
賃貸に住むと、いつまた引っ越すかわからないから、家具はなるべく自分で持ち運べるサイズにした方がいい。じゃないと、引っ越すたびにゴミになってしまうよ。
入居までのまとめ
ここまでが、入居までにあったこと。ちょっとおさらいしてみよう。
- 保証人
お部屋を探すのはカンタンだから、それより、保証人を誰に頼むか決めておこう。
- 見積もり
家賃と初期費用は、見積もり書を見ながら話すから、そのときにちゃんと話そう。後からの変更は言いにくくなるから。
- 更新料
更新料は、地域によって値段もまちまちで、いらない場合もある。つまり、大家さんが自由に決めてるから、払わないと入居できない場合でも、自分が納得したうえで払おう。
- 保険
集合住宅に住むから火災保険は必須。ただし、他の保険は必要ないと思う。
- 手数料
そして、支払い方法は、なるべく手数料のかからない方法にしてもらおう。自分のクレジットカードで払えれば、ポイントもいっぱい貯まるよ(家賃×12ヵ月分)
だいたい、こんなところかな。
ここから先は、入居した当時の日記だから、興味があったら読んでみて。
初日の日記
お部屋のカギをもらって、念願のひとり暮らしはじまるよー。
でも、まだ、電気もガスもがつかない。水道は出るけれど。
はぁ。
これから、荷物持ってこないといけないし、電気屋さんと、ガス屋さんと、水道屋さんに電話しないといけないし、住所の変更しないといけないし、やることがいっぱい。
それに、ひとりでいると、さみしい。となり近所には他人が住んでるから、ドアの開け閉めにも気を使う。がんばってお部屋を借りたけど、不安しかないよ。
僕は、ひとり暮らしの楽しさとか、アイデアなんかを紹介して、その良さを伝えようと思ってたんだよ。
でも、ぜんぜん違う。イメージと全然違う。ひとり暮らしが楽しいなんて、誰が言ったんだよ。カラッポの部屋で、そんな事を考えていたら、めまいがして具合が悪くなってきた。
今月末には、実家を出なきゃなんないし、それまでに荷物ぜんぶ移動しなきゃならないし。
引っ越しって、大変。あんなちっちゃい部屋に、こんなに荷物入んないよ。もう、うんざりだよ。誰か助けて。こんなにナーバスになるなんて、誰も言ってなかった。
勢いで実家を出ちゃったけど、やっぱり止めとけばよかったかもしんない。今、僕の中じゃ、希望1、絶望9くらいの割合になってるよ。
僕はぬるま湯だったよ。今までぬくぬくとしすぎたんだよ。それに洗濯機もない。どうやって洗えばいいの。カーテンも、服をかけるところも、フトンも毛布も、なーんにも無い。こんな抜け殻みたいなところで、どうすりゃいいんだよ。
寒いよ。電気が無いから、寒いよ。誰もご飯作ってくれないし。ガスがないからお湯も沸かせないし。
なんでトイレ電気つかないの?
もう、ヤダァ!
ひとり暮らしなんて、ぜんぜん面白くないよ。ひどいよ。ひどいよ。カギの付替えの電話しなきゃいけないんだった。いったい、どれだけ電話しなきゃならないんだよ。
でも、いまさら元には戻れないし、でも、お金払ってハンコ押しちゃったし、でも、ここでやってくしかないし…。早く慣れなくちゃ。
1ヶ月後の日記
新しい部屋に引っ越して、一ヶ月。
やっぱり、実家暮らしのときって、甘えてたんだと思う。
みんな、お湯ってどうやって作るか知ってる?
ヤカンに水をいれて、ガスにかけるんだよ。
どうして、こんな当たり前の話をするかって言うと、お湯を沸かすには、お金がかかるからなんだ。
いや、僕だって、お湯をタダで沸かせるなんて思っちゃいないよ。だけど、自分でお金出してないから実感としてなかったんだよ。
一人暮らしをはじめて、ガスや水道料金の支払いをしたら、それが急にリアルになってきたんだ。
実家では、僕がお湯を沸かしていると、ポットのお湯を使えって言うんだよ。だけど僕は、お水をコンロで沸かすのが大好き。ポットのお湯は、古い気がするもん。
ジャーっといれた水を沸かしたら、新鮮だから。
ところが、自分に請求がくるようになると「もしかしてポット(電気)の方が安いかも…」とか考えはじめる。
他にも、ちょっとシャワーを浴びようとすると、「いや待てよ…スポーツクラブで浴びたらタダになる」とか、トイレに行きたくなったら「コンビニか駅まで我慢すれば水道代かからない」とかなる。
だけど、そこでハッとしたんだ。そもそもお湯を沸かすのはタダじゃないってことに。それはどこだって一緒なんだって。
スポーツクラブは、会費を払ってるから良いとしても、コンビニとか駅の設備は、あくまで公共のサービスなんだよ。だから、自分の節約のためにトイレしちゃダメ。
ガスも電気も水道も、ジャブジャブ使いたいと思ったら、ちゃんとお金払わないといけないんだよ。
実家じゃ、そんなこと考えたこともなかった。
もう大変!
3ヶ月目の日記
ひとり暮らしだけど、けっこう楽しくやってるよ。今日は、ひとりで良かったことを書くよ。
やっぱ、ずっと一人じゃ寂しい、とか思ってたけど、まったくそんなことなかった。
とにかく生活にノイズがない。こっちを煩わす雑音がないんだよ。
人って、共同生活をしていると、家族が文句言ってくることもあるし、こっちが言わなきゃならないことも多々ある。
それがゼロになるよ。もう、これを味わってしまったら、実家とか戻れない。そう考えると、ずいぶん気を使って実家暮らししてたと思う。
ひとり最高!
誰かと共同生活していると、必ず「こんなもん、ここに置くなよー」って思う。
けっきょく皆んな、自分のやりやすいようにしてるから、小さなストレスが積み重なっていく。
それが、ひとり暮らしなら、ストレスゼロ。自分が疲れていたら、とりあえず放置でも大丈夫。元気なときに、一気に片付けたり自由自在になるよ。
あと、郵便受けをのぞくのが楽しい。なにしろ、自分宛にしか届かないから「今日はなにが届いてるかなー」と、いつもワクワク。たいてい、請求書とかゴミになるチラシだけど、それも嬉しい。
ひとり暮らし、楽しいよ!
あれから2年経って
今のお部屋の2年目の更新をしたから、この機会に最初から振り返ってみた。初日の日記は、自分で読んで笑ってしまった。どんだけナーバスになってるんだか。
でも、最初はホントにあんな感じだった。実家に良い思い出はなかったけど、20年も住んだ場所だから、ちょっと寂しさもあった。
でも「実家を出てよかった?」って聞かれたら、自信をもって良かったといえるよ。なんでも自分でしないといけないけど、やってみたらできる。実家でちゃんとしていたら、ひとりなら、もっとちゃんとできるよ。
それから、あの時、僕が頑張れたのは、ブログを見て応援してくれた人や、オンラインの人達のおかげ。実際に動かなきゃいけないのは自分自身、僕ひとりなんだけど、いつも見守って、助けてもらったような気がする。
みんな、本当にありがとう。
この恩は、きっとビットコインで返すよ。イーサリアムでひと山当てて、Amazonギフト券を配ろう。
それは冗談だけど、ブログを読んでレスポンスしてくれたみんなの声が、僕に勇気をくれたのは本当。
ちゃんと、ひとりで頑張れてるよ。
これからもよろしくね。
最後に、荷物を整理していたら出てきた写真をアップしておこう。
僕が世界でいちばん輝いていたときの写真だよ。
繋いだ手の温もりは失われてしまったけれど、ここにはたしかな愛情が焼きつけられている。こんな写真をアップするって、どうかなと思ったけど、万一無くしたときの保険にもなるから。
この写真、おそらく母は持っていない。離婚しちゃったんだよ。僕の手を離したとき、母は28歳だった。そしていまの僕は40歳。
写真は、お葬式のとき棺に入れてあげよう。