身近にある、手ごろな棒といえば、なにを思い浮かべる?
男の子のいる家庭なら、野球のバットかな。ゴルフ好きなお父さんがいれば、ゴルフクラブ。傘なんかも棒に分類できそうだ。
僕がいつも手にする棒は、シャッター棒。お店が閉店の時間になって、シャッターを下ろすとき、穴にひっかけて、手元まで引き下ろすアレだよ。
僕は、この棒をもつと、なんだかわからない衝動に駆られて、無闇に振りまわしてしまう。ブン!っと真横に振ったり、セイッ!の気合ととも歩道のポールへ撃ち下ろしてしまう。
ストレスが溜まっているとか、むしゃくしゃしているとかではなく、棒を持つと、単純に振りまわしたくなってしまうんだよ。
「危ないから、やっちゃダメ!」と、自分でも充分理解しているのに、どうしてもやってしまう。
女性で棒を振りまわすひとは、あまり見かけないから、男性特有の欲求なのかな。いや、クセや欲求なんていう生易しいものじゃない。もっと根深い、遺伝子レベルに組みこまれているとしか思えない。
そんな本能を、うまく利用しているのが、棒打系スポーツなんだよ。
剣道
棒を持つと、人の頭をコツンとやりたくなってしまうよね。その欲求が極限に高まったとき、人は防具をつけて、思いっきりバシンとやるようになった。野球
棒打系スポーツの雄で世界的に人気なのが野球。なんの予備知識もない、無垢な赤子に棒をあたえると、まずヨコに振りまわす。それを、もっともナチュラルなカタチで再現したのが野球なんだ。ゴルフ
棒を振ると、手応えが欲しくなってくる。そして、地面に転がっている物を、狙ったところへカッ飛ばしたくなる。ゴルフはゲーム性を持たせるため、カップというゴールはあるものの、基本的には転がっている物をカッ飛ばしたいだけなんだ。
こんな感じで、棒を持ったら振りまわしたくなる現象は、人類の文化にまで、多大な影響を及ぼしている。だから僕が、シャッター棒を振りまわしてしまうのも、無理からぬことなんだ。もちろん、そのときは周りに人がいないか、充分に注意している。
さあ、今日もひと振りしてこよう