最近みんな、ブログをあんまり、読まなくなったよね。
僕もそうなんだよ。どうも読む気にならなくて。
理由は、ひとつではないけれど、大きな流れとして、ブログの目的が、お金になってしまったからだと思う。
お金自体は良いんだよ。
つまらなくなったのは、SEOサイトがコミュニティーになって、その中で完結していることなんだ。
コミュニティーでは、それぞれが日々、ブログを更新する。だけど、それは、記事ではなく商品紹介。ブログではなくチラシなんだよ。
良いチラシですね─
チラシ作りの参考になります─
シェアされそうなネタですね─
もて囃されるのは、検索で上位表示されるノウハウと、儲かるチラシの作り方。
ブログが失ったもの
ブログって、無名の個人が、それぞれの生き方、それぞれの属性から見える世界を、その人の言葉で書くことだったんだよね。
人間の考え方って、多種多様な形を持ってるから、いくら見てても飽きない。自分とは違う視点、自分とは違う発想、そのどれか、もしくは全部を満たしてくれる。それがブログだった。
たとえばこんな記事。
はてなブログの四番バッター、らくからちゃさんの記事だよ。
良いよね。
思い切り振り抜いたバットが、物事の本質の芯を喰って、スタジアムに綺麗な放物線を描くんだ。
生きてるって感じ。最高だよ。
そして、こっちが最近の決勝点。
たしかに「女騎士、経理になる」は、秀逸なネタだと思う。でも、それはあくまで、簿記をわかっている人にウケるネタなんじゃないかな。
マンガになって、簿記を知らない人に、興味を持ってもらうキッカケにはなるけど、役に立つというより、なんとなく理解して、わかった気分になるだけというか…。
つまりエンタメなんだよ。
エンタメで良いじゃない?と言えば、それまでだけど、それが四番のスイングなのかな。
たとえ打てなくてもいい。
僕は四番の送りバントなんか見たくないんだ。
良い記事と、儲かるチラシは違う。
その事実を、はてなブログの四番が証明してしまった。儲かるのは、ブログではなく、良いチラシなんだと証明してしまったんだよ。
それが僕にはとても悲しい。
華麗な送りバントで、三塁ランナーは見事に生還。その一点が決勝点になって、試合はサヨナラ勝ち。フォロワーから手荒い祝福を受け、胴上げされて、宙を舞う、らくからちゃ。
みんなが手を叩く歓喜の渦の中、僕だけは少し泣いている。
ブログはつまらなくなった。