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近ごろ僕は、天狗になっていた。みんなにチヤホヤされて、ブックマークをもらえるから調子に乗っていた。妖怪アクセス天狗になっていたんだよ。
アクセス天狗
僕がアクセス天狗になってしまったのには、いろんな理由がある。日常生活の不満─、社会的地位の低さ─、給料の目減り─、満たされない性的欲求─。
そのはけ口が、インターネットになってしまった。ブログを現実の代替行為にしてしまったんだよ。
今日は、どうしてそうなったか客観的に分析してみる。つらい現実だけれど、目を逸らさずに、真正面から受け止めなきゃならない。
- 認められたい
ブログを書いていると、同じようにブログをやっているみんなから認めてもらいたくなる。その基準のひとつがアクセスの多さなんだよ。
だから、いつしか僕は、なりふり構わずアクセスを求めるようになった。アクセスさえ多ければ、みんなが僕を認めてくれるんじゃないか。そう思うようになってしまった。
さらに僕は、ブログ書きであると同時に、ブックマーカーでもある。ブックマーカーの使命は、良い記事を発見することだけど、アクセス天狗になってしまうと、良い記事をブックマークをするのを躊躇うようになる。
「これは良い記事だ。…待てよ、この記事を上げると、相対的に僕の評価が下がるな…」
そんなふうに、アクセスには常にノイズというか、バイアスがかかっている。つまり、ブログのアクセスは正しい評価軸にはなりえない。
これからは、初心に立ち返って、いちブログ書き、いちブックマーカーとして、自分を律していきたい。
- 人気者になれる
僕は思ったままを書くとスッキリするから、ブログを書くのだけれど、面白い、楽しい、とか言われるとちょっと気分が良くなる。
それがだんだんと加速していくと、もっと人気が欲しくなる。そして、人気が出ればアクセスが増える。
僕は、アクセス天狗になることで、実力以上の評価をもらおうと企んでしまった。ブログ書きは、人気じゃなく記事で評価されなければならない。
これからは、ストイックに社会的事象を見つめて、本質を見極める記事を書くようにしたい。
- 僕を知ってもらえる
僕はひとりぼっちに不安を覚えるけれど、同時に人付き合いを避ける傾向にある。
人付き合いって面倒くさいから、あまり積極的にかかわらないようにしてるんだ。それは、快適な反面、ひとりぼっちの寂しさもある。
そこで、アクセスが増えると、煩わしい人付き合いをすっ飛ばして、ひとりぼっち感が薄れる。これは、お手軽に気持ちいい。
けれども、それは、虚像以外の何者でもない。というか人としてダメだと思う。
これからは、繋がりも大事にしつつ、孤独にも向き合えるブログ書きになる。
- お小遣いが増える
僕をアクセス天狗にしてしまった、もっとも大きな要因は、広告報酬にある。アクセスが増えると、まるでスーパーマリオのコインボムを連打するような快楽がある。
金額ではなく、アクセスと連動する快楽が、まるでバイブレーターのように心の琴線を震わせる。
そんな快楽ばかり求めるのが、アクセス天狗なんだ。もちろん、僕は邪な快楽に溺れてしまってはいけない。
まとめ
アクセス天狗ってホントに恐ろしい。でも、いっぽうで、アクセス天狗の心理は、絶対に悪いものとは言い切れない。
向上心がなければ、ブログの腕前も上達しないから。だけど、それは表裏一体というか、カードの裏と表のように、いつの間にか心の深いところに巣食ってしまっている。
それをうまく飼い馴らせるのが、良いブログ書きなのだと思う。アクセス天狗の誘惑に負けず、自分をしっかり持ってゆかなければならない。今回は、自戒を込めて正直に書いてみた。
みんなの心にも、アクセス天狗はいないかな。
くれぐれも気をつけて発信していきたい。