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お腹が痛いよ。
数日前から不調を感じていた。何者も怖れない僕がひるんでしまうほどの腹痛。昨晩は謎の嘔吐感にさいなまれ布団に丸くなり4〜5時間をまんじりともなく過ごした。孤独だった。誰にも助けてもらえない天涯孤独。起き上がる気力も完全に失われていた。
窓の外が明るくなったころ、眠りにつくことができた。つぎに目がさめてこの痛みがまだ続いていたら救急車を呼ぼう。そう思いながら強く目を閉じた。すべての災厄から逃れるために、眠りの世界に救いを求めるように。
目覚めると時計の針は9時を指していた。恐ろしい腹痛と嘔吐感は過ぎ去っていた。寝返りをうてるまでに回復していた。長時間横になっていたせいで腰はガチガチ。猫の背伸びの要領で腰を伸ばしてソロリと立ちあがった。
フラフラだ。ヤバイ。目眩がヤバイ。とりあえずキッチンにいって水を一杯飲む。はあふう。喉から食道を落ちていく水の流れがリアルに感じられる。やれやれ。なんだったんだあの腹痛は。近ごろ災厄ばかりだ。年をとると免疫が低下するのだろうか。
お祖母ちゃんの田植えと同じ姿勢でトイレに移動する。ぐぬう。便座に腰かけておちんちんを下にむける。膀胱に貯まりに溜まった液体が勢いよく放出されていく。おおう。あらかた出尽くしてひと息ついた。
からだを起こして萎えたおちんちんを上から眺めた。そっと手を添えて持ち上げてみる。張りもツヤも無い。老人のようにうなだれた君はどこか儚げだった。そういえばさいきん全然使ってないよ。
このからだの不調は、もしかして性交渉の不足によるホルモンバランスの崩れかもしれない。だとしたら早急になんとかしないと。近くに自己評価が低く容易に持ち運べる女子はいないだろうか。ダメだダメだ。そんな真似は生まれてこのかた一度もしたことが無い。
落ち着いたらひとまずブログを書こう。夢も希望もないけれど愚直に記事を積み上げていこう。仕事もお金も人生すら希望を持てなくなったらインターネットに向かうしかない。何もしなければ何も残らない。居場所はもうここにしかない。
空虚な人生をブログで埋めるんだ。