…近頃、良くないことがおこってる。僕がちょっとおとなしくしていたら「アイツは雑魚。所詮は泡沫」みたいな風潮になりつつある。
そこはちょっと認識を改めてもらわないと。
投票に行かなくていい
僕は投票なんて行かない。みんな、あんな紙切れに何を期待してるんだよ。そのちびたエンピツで、君はなにを書くつもりなのさ。
選挙なんてのは、結局のところ既得権の椅子取りゲームなんだ。
特定の個人・団体が既に得ている権益。特に法令や制度によって保護されている場合に使用される。あらゆる改革の障害とみなされ、それらを破壊することが国益につながると、多くの人たちが信じている。政治家が既得権益者の利益代表となるケースも多い。
既得権とは - はてなキーワード
既得権は普遍的に存在する
はじめに言っとくけど、みんなは既得権を甘く見てる。インチキな仕組みを作って甘い汁を吸ってるみたいに、軽く考えてる。
違うよ。
既得権はそんな安っぽいオモチャじゃない。もっと獰猛で、サバイバルするジャッカルのように血に飢えている。
それに既得権は、だれかの特権ってわけじゃない。お金持ちでも貧乏人でも何かしらの既得権に守られているんだ。
たとえば健康保険だけど、月々の保険料は収入に応じて増えてく。多ければ多く、少なければ少なくというように。
でも、すべての国民が同じ医療サービスを受けられるなら、保険料も一律に負担するのが平等だよ。あなたは収入が多いから10万、キミは5万、こっちは母子だから免除。
これが平等とは、まったくもって矛盾している。
つまり、掛け金が平等になると、保険料を払えない貧乏人は病院にかかれなくなる。すると貧乏人たちは困るから戦わざるをえない。貧乏人たちは、貧乏を理由に医療を剥奪されるのに、命がけで反対するんだ。
そして、収入に応じて額が増減するという仕組みが生まれた。実際に戦ったわけじゃないけど、これは貧乏人が獲得した既得権なんだ。
もしも、お金持ちがそれを不平等だと言って壊そうとしたら大変だよ。貧乏人たちは全力で反撃するよ。人生をかけた壮絶な戦(いくさ)になる。
逆もまた然りだよ。持つ者を、持たざる者が攻撃してきたら、持つ者(既得権)は全力で潰しにくる。
ある程度の譲歩はするかもしれないけど、構造そのものを破壊されそうになったら、容赦なく叩き潰す。
ホリエモンが捕まったのも同じ理屈。彼にとって為替はゲームだったけど、相手にとっては違った。既存の投資グループからすれば、それは戦争だった。
だから全力で反撃してきたんだ。勝負と構造破壊の境界線、そしてルールに則った勝負をしていたから、最悪の事態は免れたけどね。
つまり、既得権というのは、先人たちが、苦しみ、悩み、そして生涯をかけて築き上げた、いわば城壁なんだ。それを壊したい、壊そうとするなら相応の覚悟がいる。
それは投票用紙なんて紙切れじゃなく、生身の血を流す覚悟がいる。
既得権を破壊できるのは新しい既得権だけ
既得権益というのはグループ、カンタンに言えば会社みたいなものだよ。だから、世の中に会社がなくならないように、既得権もなくならない。そもそも僕たちは選挙に行こうが行くまいが、どこかの既得権にはじめから所属しているんだ。
いや、行き過ぎた既得権を正すため選挙があるんだって思った?
違うよ。
行き過ぎた既得権は多数決で消されるから大丈夫。そのさじ加減が絶妙な既得権こそ、キングオブキング。最強のキングオブ既得権なんだ。要するに既得権を破壊するのは人じゃなくて、似たようなほかの既得権でしかない。
つまり、選挙で誰を選んでも一緒ってこと。
政治はなにもしてないんだよ。いや、出来ない。だから国会なんて、賛成か反対に手を上げる小学校のホームルームみたいなもんさ。
僕にだってできる。
これでよく分かったよね。
選挙に意味なんてないから。行きたい人だけ行けばいいよ。紙切れに名前を書くだけで、変えられるほど世の中は甘くない。