朝イチで悲しいニュースが流れてきた。あのヒトデ君が会社を辞めた。これからはブログで飯を食っていくらしい。
彼を認識したのは、ちょうど二年前の今ごろだった(ような気がする)。ヒトデといういっぷう変わったニックネームとJOJOっぽい語り口。ずいぶんと腰の低い男だな、というのがファーストインプレッションだった。
あれから二年。
そんなヒトデは、あれよあれよという間にアクセスを伸ばし、界隈イチの人気者になってしまった。真紅のレッドカーペットを、ジャケットを翻しながら駆け上がるように。
いっぽうでこっちは、没落の一途をたどった。日々、暴力的に落ちていくアクセスを眺めながら「ブログはもうオワコンじゃな…」と、老人のようにつぶやいていた。
僕は憎い。
いや、ヒトデが憎いんじゃなく、ネットで成功する、すべての者が憎くてしょうがないんだ。
日々つづく退屈なルーチンワーク。理不尽な要求と、曖昧な人事。くだらない人間の繋がり。与えられる僅かなパン惜しさに、奴隷のように従順な仕草を演じる毎日…。
僕らは、ヒトデになれない。
本当にクリエイティブで、能力が高いのならば、会社員という選択は、最悪に違いない。
僕らは、ヒトデになれない。
現状に甘んじることなく、自分の可能性に賭けるのならば、僕らは会社のデスクに座ってはいない。
ヒトデ君。頼む。
どうか失敗してホームレスになってくれ。
僕は、大きな苦痛に耐えている。いや、二十年もの月日を耐えてきた。
みんなのやりたがらない、汚れ仕事を押しつけられてきた。縁故で成りあがる、ブタ野郎どもにコキ使われて、汚えぞ…という叫びを呑み込んで、耐え忍んできたんだよ。
ブログは副業でいいじゃないか。そっちでちょっと人気者になって、小遣いを稼いで、そのモチベーションでもって、会社でがんばってくれないか。
たったの三年じゃないか。まだ三年しか理不尽を受けちゃいないだろう。もっと、こっちの地獄を見てくれ。ヨゴレ仕事で疲弊して、無能な上司のケツを拭いてくれ。会社には、介護が必要な老害が、まだまだ沢山いるんだ。
若い者は、そのケアをする義務がある。
僕は、なにを言っているんだ…?
なにはともあれ、めでたいですね。
今後の成功と、さらなる飛躍を期待しています。