散るろぐ

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

はぁ、はぁ、ふぅ、ふぅ

ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ、ぜぇ…

ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…

グフゥ…

何日ぶりだ?

久しぶりに走るとクるな…。さすがに足のダメージがハンパねぇ…。ちくしょう、ちくしょう。

やはりスマホ、持って出なくて正解だった。財布も携帯も充電バッテリーも、家に置いてきた。カラダひとつが、これほど軽いとはな。

アイツら、今ごろ、パソコンの画面見てるか、スマホ片手に街をうろついてんだろう。憐れよ。憐れな者共よ。

僕はカラダひとつで勝負してる。グーグルの位置情報からも自由だ。ハッ。

この坂、やるな。ゼフィー…、ゼフィー…。

やかましいバイクが来やがった。ブロン、ブロン言わせやがって。所詮、その程度よ。それはオマエのチカラじゃなく、エンジンだ。貴様はエンジン頼りのモヤシっ子だよ。

ふひー…、ふひー…。

いかん。無心だ。無心で走るんや。そう。一歩づつ、一歩づつ。




ひー。やっと着いたか。どれぐらい走った?

四十分はかかったな。でも、一度も休まずここまで来たぞ。ざまぁみろ。やりゃできるんだ。ちょいとクールダウンしよう。急に止まるとゲロっちまう。徐々に、徐々に心拍数、落としていくのよ。

ふぃー。暑い。ぜんぜん寒くねぇ。汗びっしょりだよ。これからまた四十分かけて帰るか。ま、下りだから余裕だな。

お、こんなところに幼稚園があったか。キャッキャ言いながら走りよる。二十人くらいいるか?

日本に、まだこんなに子供がおるんやな…。

こっちは中学校か…。ぜんぜん生徒を見かけんが、ホントに営業しとるんかな。あ、いたいた。バットでボール打ちよる。

ふひー、ふひー。あと二十分くらいだな。

おや?

フェンスの向こうに、中学生のスポーツバッグが捨てられてる…。 うん。間違いなくバッグだ。なんでこんなところに…。イジメ…?

はう。立ち止まっちまった。しかし、このバッグ、中身がパンパンに入ってるっぽい…。

ちょっと見てみるか。

クッ。手が届かねえ。あとちょっとなんだが…。気になる。フェンスによじ登って手を伸ばせば、届きそうなんだが、ヤバいか。誰かに見られたら、相当に危うい。

待てよ。暗くなってからまた来るか。いや、そっちの方がもっと危ねえ。これは罠だ。罠に違いない。無視、無視。

ふひーっ、ふひーっ。

ふー。帰って来たぞ。足がぷるぷる言いよる。ふひー。やれやれ。

おや?

砂場になんか落ちてる? シャベルか。ずいぶん年季の入ったシャベルやな。ピコンとおっ立ててある。よく使い込んどるな。柄のところが黒光りしよる。

さ、帰るか。

ひー、やれやれ