お散歩中に遭遇した、跨線橋の歩道へ続く階段。ここを越えねばあったかいお家には帰れない(撮影:チルド)
ふぅー。近ごろアクセスが伸びない。
僕が足掻けばあがくほど、藻掻けばもがくほど、ドロ沼にはまっていくような徒労感がある。
僕のどこが悪いんだろう…。
それはきっと、住所を書きまちがえるだとか、それに問題意識を持っていないだとか、そんな単純なことではなくて、もっと高度なロジックが隠されているんだよ。
まるで仔犬のように愛くるしいキャラクターをブランディングしたつもりだったのだけど、僕は相変わらずくたびれたおっさんで、それ以上にも、それ以下にもなれずにいる。
詰まるところ、僕が望むのは、無条件にむしゃぶりつきたくなる肉球なんだ。
お金や地位のように、附随的かつ不確実でない確かな強度を備えた鋼のような肉球。職人の手によって磨き抜かれたダイヤのような肉球。手塩にかけて育まれ、たわわに実った肉球。
もっふもっふの肉球さえあれば、誰もがふれてみたくなって、無条件に愛されることができると思うんだ。
むかしは、数分で叩いた即興のリリックで1万アクセスなんて時代もあった。それが、みんなのグーグル化によって、それなりの文字数やクオリティが求められるようになった。
表面的な可笑しさではなく、そこに至るコンテクストだとか、かけられた労力だとか、書き手のSNSによる拡散力までもが、加味されるようになってしまったんだよ。
アクセスがほしい。
人気がほしい。
肉球がほしい。
これらは、僕の中で同一のクラスタ、同じ方向のベクトルとして、熱せられたタールのように重く流れている。かつて、百年経っても色あせない伝説の記事を書きたい、そんな夢をみていた、あの少年はもういない。
僕はくだらない、ただのおっさんになってしまった…。