先日、BLOGOSデビューして、にわかに活気づいている僕です。こんにちは。
やっぱり、僕のストロングポイントって、ビジネスのセンスなんでしょうね…。僕が仕事について書いてみると、思いのほか好評なんですよ。
自分では、ごく普通のことを言ったつもりなのに、読者から「すごいね」とか「当たってる」とか「適当言うな」「消えろ」「死ね」みたいに、各方面から、アツい感想をいただいてしまいます。
そこで、今回は、「会社が潰れそうだからわかる、倒産寸前なのに売れる商品」というテーマで、マーケティングについて語ろうと思います。
そろそろ倒産
僕はバブルの崩壊を見てきた世代なので、小学校の教室ではよく「父さんの会社が倒産したー」なんてはしゃいでいたんですね。そのせいというか、因果応報というか、あれから30年、僕の働いてる会社がヤバいです。そろそろ終わるだろうな、という。
それは、時代の流れですし、ある種、仕方ないことなんですよ。雇われなので、そのときはそのときです。
会社が傾いた理由は、いろいろなんですが、単純に売れなくなったんですね。
ところが、そんなに売れなくなったのに、まだ、しぶとく売れる商品があるんですよ。
倒産寸前なのに売れる商品
- 利幅が薄い
経営状態が悪化すると、現場では「これは売れてもしょうがないな…」、という、利益の薄い商品が不思議と売れています。
売上のほとんどがそんな商品(利益が少ない)なので、中味はありません。張り子のトラ状態です。
- 手間だけかかる
ゆるやかに衰弱している会社では、現場にとってコスパの悪い商品が人気になります。
「もう作るの面倒くさいな」という商品です。利幅はふつうですが、工賃を考えると割に合わないものです。
- ほかに売ってない
会社ヤバくない? ってなり始めると、他社があまり扱っていない商品が売れ始めます。
それには、2種類あって、ひとつはオリジナル、そして、もうひとつは、既製品でも取り扱いが少ないニッチな商品です。
他所で売ってないから、しょうがなく買うかって感じです。
死ぬときに本質が見えてくる
なんだよ、当たり前じゃないか、と思われますよね。でも、これって、意外と見落としがちな本質ではないでしょうか。だって、ふつうに儲けようと思ったら逆です。
利幅が大きくて、手間がかからず、調達が容易な商品。それが一番儲かります。言ったら、電話一本で、右から左へ流して、効率よく稼ぐのが、クールなビジネスなワケじゃないですか。
でも、それって、運良く今、需要があるから売れていているだけなのかも知れません。
僕が終わりかけた会社で見たのは、本当に競争力のある商品です。
競争力のある商品
- マージンの安い(取りすぎていない)商品
利幅の薄い商品って、普段なら軽視してしまうんですが、量的には安定して売れてるんですよね。
これは、良い時期に拡大すると吉かも知れません。
- 手間を惜しまず作った商品
手間がかかる商品って、やっぱり買う人も分かるっぽいです。だから売れるんでしょうね。ただ手間は、効率化できる余地もあるんですよ。つまり、手間を効率化した商品こそ強いのかも知れません。
- 顧客のある商品
商売がうまく回ってるときって、細かいところが、おろそかになりがちです。顧客と仕事があるうちは、どんなに小さくても、丁寧に拾っていくことが、命綱になるかも知れません。
沈みゆく船より
潰れそうだからわかる、倒産寸前なのに売れる商品という話題でしたが、いかがだったでしょうか。僕の勤めてる会社は、いよいよ沈んで行きますが、会社という名の船は、沈み始めてから、ようやく、その全貌が見えてくるのです。
いや、もう手遅れなんですけどね。
船体には大穴が開き、海水がじゃんじゃん流れ込んで、積荷は水びたしです。浮力は日に日に失われています。
だれも修理する人もなく、船長含め、船員のすべてが、船室にこもって残った食糧をシェアして暮らしています。
僕は、天気の良い日は甲板に出て、ちびた鉛筆で、こんな記事を書いています。
もう、あんまりやることないんですよ……
西日がまぶしいなぁ……
せっかくなので、この紙、ビンに詰めて、インターネットの海へ流しておきますね。
誰かに届くことを祈りつつ。