ちるろぐ

ここが僕のアナザースカイ

運転は人の心をうつす鏡

こんにちは。ライターのチルドと申します。

職業柄、車に乗る機会が多いのですが、先日、実におっとりとした女性と申しますか、見目麗しき淑女の助手席に同伴する機会に恵まれました。

僕は小躍りしながら車中に飛び込んだ訳です。

すると、どうでしょう。

彼女は懐中より漆黒のサングラスを取りだし、スチャとばかりに、切れ長の美しい瞳を覆い隠してしまったのです。

僕はすこし残念に思いながらも、だからと言って彼女の美しさはいささかも損なわれない、と、自分に言い聞かせました。

そして、彼女はエンジンをスタートさせ、急な感じで車を公道へと発進させたのです。


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photo by susivinh

揺れる車中

僕は助手席にいながら、少々、不安な心持ちになりました。それは、彼女の運転が急というより、むしろ乱暴と言って差し支えないレベルに達していたからです。

はじめは車の取り回しに馴れていないのかな…、と思いましたが、初心者にありがちな、アクセルワークやハンドル捌きの迷いは微塵も感じられません。じつに滑らかに、そして強引に都会の雑踏をすり抜けて行くのです。

甲高く響く

僕はその急発進、急加速のGに身を委ねながら、あることを考えていました。車の運転はその人の本質が垣間見えるといいます。普段はおっとりとした彼女ですが、もしやこれが本質なのでは…、という疑念です。

そして、次の瞬間、疑念は確信へと変貌しました。車中に「チッ」という甲高い舌打ちが響いたからです。

それは先刻から我々と並走し、あわよくば抜かそうとしていた黒のレクサスに向けて、彼女から発せられたものでした。

さらに次の信号でレクサスに置き去りにされると、彼女は誰を憚ることなく、そのレクサスへ罵声を浴びせたのです。

彼氏と一緒のときは

僕は彼女のスラリと伸びた足、真っ白い腕を視界の端に捉えながら、その可憐な唇から飛び出すドス黒い言葉の対比に愕然としていました。

そして彼女は、彼氏と一緒のときはこんなふうではない、僕を同性の友人のように感じ、素でいられる、というような言い訳をしていました。

つまり彼女は、他人の僕には素顔を見せ、身近にいる大切な人には偽りの姿で接しているのです。

僕は彼女を軽蔑すると同時に、素のままをさらけだす彼女に欲情してしまう自分にも、激しい自己嫌悪を覚えたのです。

運転と社会性

一方で、僕はと言えば、車線変更を遠慮してしまい、直進したのち左折し、人気のない路地で3点ターンして引き返すような性格です。

また、ボンヤリしていて高速道路の降り口を通り過ぎてしまうこともあります。しかし、運転中と日常生活にそれほどの差異はありません。

自動車の運転には、その人の本性があらわれると言います。むろん運転が乱暴だからと言って、その人格まで断ずるのは間違いでしょう。しかし、ひとつの目安になるのは事実です。

もしも、あなたの彼女が車を運転をする方であれば、ドライブレコーダーを逆向きにつけるなどして、普段の様子をチェックした方が、いいのかもしれませんね。


運転は人の心をうつす鏡、という話題でした。



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