インターネットがつまらなくなった理由

きのうはすぐに眠ってしまった。疲れていたのかな。夢を見る余地もないほどにとても深い眠りだった。

目が覚めてスマホの電源を入れた。これから始まる憂鬱な現実へ立ち向かうための儀式。

よく眠ったせいか、いつもよりディスプレイが鮮明に見えた。その瞬間、散らかっていた思考が一気にまとまった。独立した断片があるべき場所に収まったって感じだった。

グーグル語

僕たちは、いつの頃からか自由な言語を失っていた。そして誰もがグーグル語をしゃべるようになった。それは「食べて痩せるダイエット」だったり「カードローン」だったり「オススメのランキング」だったりする。

誰も彼もがキーワードを強く発音して何度も繰り返す。それが存在理由とでも言うかのように。

繰り返されるコピー

インターネットはフリーであってほしい。なぜなら「貧しい環境に生まれた者は一生貧しいまま」という絶望に、わずかな光りを与えられるから。

ゆえに違法コピーとフリーライダーをひとつの皿に盛って議論したくはない。一方で、コンテンツをコピーしてお金を稼ぐ闇の組織もある。バイラルメディアは日々コピーコンテンツをシェアして収益を上げている。

理想と現実

インターネットの描いてみせた理想って、なんだったんだろう。役に立つ記事ってなんだろう。ブックオフに行けばひと山いくらで売っている自己啓発のことかな。

結局のところ、インターネットはイノベーションなんて高尚なものじゃなくて、ただの持ち運べる小型テレビだった。ありふれたライフハックがキラーコンテンツになりテレビ企画の劣化コピーが垂れ流されている。

そこに見えてくるのは、カードの審査も通らない人々。ガチャに搾取される大衆。便の色が気になる偏食者たち。広大な世間がインターネットを埋め尽くしていく。

インターネットがつまらなくなった

僕たちが期待していたのは、誰が言ったかではなく何を言ったかで評価される世界だった。顔の見えない場所だからこそ、人々の真意があると信じていた。

そこに著名人や有名人がやってきた。強い人間は金になると思えば、どこにだってやってくる。そして、結局のところ、世間が求めるのはその程度の欲求だった。

SNSも手段がアナログからデジタルになっただけで、大昔から存在していた。ネットはそれを便利にしたというだけ。

ある面から見たインターネットは、人類の歴史を10倍の速さでトレースしている。物理的な干渉物のない世界ではすべてがワンクリックで解決する。すでに広告は人々の欲求を高度に分析して最適なサーヴィスを提供しはじめている。

そこに僕たちの理想はなくなってしまった。

インターネットをつまらないと感じるのは、そこに存在するのが住人ではなく、客になったからだろう。そして、効率よく課金するスキームに、僕はただ嫉妬しているだけなのかもしれない。



※加筆修正:2015/08/17