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散るろぐ

千載具眼の徒を待つ

たったひとりのタイヤ交換

暮らし

朝の5時はとっても寒い。おまけに真っ暗。ガソリンスタンドなんて開いているわけもなく、要するにパンクしたタイヤの交換は、自分でやらなきゃいけないってこと。

広い歩道をさがして車をよせる。エンジンを切って車から降りる。寒い。寒いよ。


http://www.flickr.com/photos/7205246@N02/4119713238
photo by brentbat


トランクのなかを探ってジャッキを取り出した。冷たいアスファルトにしゃがんで、ジャッキをセットする。

クルクル、クルクル、クルクル。

なんでパンクなんてするんだろう。最近ついてないよ。ブログもぜんぜん人気になんないし。みんな、どうしてあんなにアクセスがあるんだろう。100万ピーブイくらいの記事を書けないかな。

道端にしゃがんでハイゼットのタイヤ交換をしてるんだよ。せめてネットでは輝きたいんだ。ちくしょう。

クルクル、クルクル、クルクル。

ナットにレンチをはめて、グッと押すけど回らない。なんてこった。ジャッキアップする前にナット緩めないといけなかった。

ルクルク。ルクルク。ルクルク。

なんかもう、ネットも日常も変わらないよ。こっちでも負け、あっちでも負け、せめてブログでは夢見たかったのに、今じゃこの有り様だよ。

ルクルク。ルクルク。

強いやつが増えすぎたんだ。砂場でおまんじゅう合戦してるところに、アメリカ陸軍みたいにフル武装した連中が踏み込んできた。みんなあっという間にやられちゃった。築山に隠れてた、僕だけが助かったんだよ。

ルクルク。

ふー。やっと下がった。
ナットにレンチをはめてグッと押す。回らない。ったく、どんだけ締まってんだよっ。ガチガチだ。

足で踏んだら、やっと回った。

クルクル、クルクル、クルクル。

僕のすぐ後を、大型のトラックが爆音で通り過ぎてく。次から次へと、猛スピードで走りすぎていく。

クルクル、クルクル。

レンチで緩めたナットを指で回して外してく。手が汚れるから、タイヤなんか触りたくないけど、わしづかみにして取り外す。なんで軍手を積んでなかったんだろう。

貧弱なスペアタイヤと交換。こいつは僕にそっくりだな。ひー。30分もかかってる。完璧に遅刻だよ。

ちくしょう。

ネットは僕たちの公園だった。砂場も、ジャングルジムも、ブランコだって僕たちが作ったんだ。いつか、泥まんじゅうをぶつけてやる。いつか、この特大の泥まんじゅうを、連中にぶち込んでやるんだ。

ふー。ふー。