ちるろぐ

ここが僕のアナザースカイ

ミニマリストという生き方

近年インターネット界隈で「ミニマリスト」という生き方(ライフスタイル)を見聞きするようになった。広義には文字通り最小限主義者であるのだが、その定義は曖昧だ。共通しているのはミニマリストを名乗るのは全般的に若い世代が多いことくらいだろう。

私はインターネットの一時的な流行だと感じたのだが、実生活でも、それに類する少女と出会ったので、一概にインターネット上のマイノリティとは言い切れないのかもしれない。

ミニマリスト少女

私が少女と出会ったのは3年前である。当時、私は結婚相手を探しており、それを周囲にも公言していた。そして少女も同じく結婚相手を探していた。

21歳の女性を少女と呼ぶのは、いささか語弊がありそうだが、39歳の私から見れば、十分にその資格がある。現に私の知人には19歳の子供を持つ親もいるのだ。


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photo by Matthias Rhomberg


少女曰く、結婚に恋愛感情は不要とのことだった。また、断捨離という思想に傾倒しており、そのような話をよくしていた。それは、今インターネットで見かけるミニマリストの思想と酷似していた。

しかし、年齢が離れすぎていることから、私の選択肢には入っていなかったし、相手も当然そう考えているだろうと思っていた。ところが少女は、私がもう少し積極的であれば結婚してもいいと考えていたらしい。

「らしい」というのは、後日、私は共通の知人から聞かされたからだ。非常にもったいない事をしたと思う反面、まったく理解に苦しむ出来事でもあった。

個人的なアンラッキーはさておき、このミニマリストという生き方は、なにを示しているのだろう。若い世代はミニマリストに何を求めているのだろうか。

ミニマリスト批判

私は第二次ベビーブームと呼ばれる1975年に生まれた。高度成長期に生を受け、10代にバブル期をむかえ、就職難の一歩手前で成人した。

私たちの世代が豊かになることが全てであった、とまではいかないが、1975年より上の世代からすると、物を捨てて最小限で生きるミニマリストという価値観はあまりにも極端に映る。

そこには批判もあるだろう。

それらを単純にまとめてしまえば、老後はどうするのかという話だ。その日暮しの生活を続け、年老いて働けなくなったら生活保護を受けるのだろうか。我々が働いて収めた税金で整備されたセーフティネットにタダ乗りするつもりなのかという批判である。

フリーライダー

私見を述べさせてもらうと、私自身、税金は小額しか納めておらず、年金はなんとか払っているが中途で未納になる可能性は十分にある。私はどちらかといえば彼らとおなじフリーライダー側であるのだ。

だからと言って、ミニマリストな生活や海外移住という発想まではいかない。やはり日本が住みやすいし、海外では理不尽な犯罪に巻き込まれるリスクをまず考えてしまう。それに私はまだ、あわよくば豊かになりたいと願っているのだ。

ミニマリストを名乗る若者たちに、日本はどう見えているのだろう。

この国の安全性や利便性とトレードオフしても叶えたい理想とはなんだろう。どんな生き辛さを日本社会に感じているのだろうか。

それが何なのか、ちょっと知りたいと思った。


↓追記しました。