ちるろぐ

ここが僕のアナザースカイ

「もみもみ」と「なでなで」どっちが好き?

友人とケンカをしてしまった。いい大人が見解の相違を受け入れられなくて、それっきり口もきかないなんて、恥ずかしいよね。でも、僕は間違ってないと思う。

スタイル抜群のY子

はじめは、僕の友人が共通の知人であるY子の話題を持ち出したところからだった。Y子はとりたてて美人じゃないけどスタイルは抜群という32歳の独身。

若いころから、道ならぬ恋に血道をあげて何度も同じことをくりかえすタイプだった。

そんなY子をいつも気の毒に思っていた僕は、友人に「Y子はいつになったら幸せになれるのかな」って聞いてみた。

すると友人は、おそろしいことを語りだしたんだよ。

「Y子は今でも十分幸せなんじゃないの?相手に嫁さんいるの知ってて平気で手を出してさ。好きになった男とよろしくやってんだから」

「そうかな」

「そうだよ。アイツはホントに自分勝手だ。遊ぶにはちょうどいいだろうけど。俺も、もみもみしてあげたいね」

もみもみとなでなで

ちょっと待ってくれ。僕は反射的に言い返してしまった。

「なでなでだろ。もみもみってなんだよ!」

友人は唐突に声のトーンが上がった僕を驚いて見返した。僕は続ける。

「もみもみが悪いとは言わない。だけど最初はなでなでから入るべきじゃないか?女性特有の曲線を愛しむように、なでなで、なでなで、こっちも、なでなで、なでなで、…な?」

「はぁ?なに言ってんだよ。べつにもみもみしてもいいじゃん。そんなのひとの勝手だろ」


後はもう平行線だった。永遠に交わることのない不毛な論争。

見かねた女将さんが、沙汰を下して僕らは別々の出口から店を追い出された。

揉まれたY子

あれから一度だけY子から電話があった。
「あたしの事でケンカするのはやめて、仲直りして」と。

まさかY子と友人が、もみもみに…まさか、まさかな…

僕は、電話を切ってから、座り込んで考えてしまった。